2014年5月26日月曜日

じめじめの沖縄と古本アレルギー

今日の湿度はひどく、雨がふりそうで降らない空がもどかしい。
窓を開けると心地よい風が入ってくるが、湿っているために床がぺたぺたし、本や紙はしなしなとへたってしまう。
昨日、2台めの除湿機を購入した。

沖縄に住むということは、虫や湿気や黴と戦い続けるということでもある。
とはいってもアリや蛾や蜘蛛はむやみに殺さない。殺生するのは蚊の類。そして、将来的にはシロアリとなりそうだ。

湿気やカビとの戦い。それは凄まじい消耗戦である。
大切な本を持っていれば、なおのことそうなろう。


そういえば、古本のカビ臭のアレルギーに私は神奈川にいる頃から悩まされてきた。
そして、いろいろ試したものである。
いちばん効きそうだという情報が広まっているのが重曹だったが、これはどう使っても効力をはっきしてくれなかった。

私は結局、徹底的に物理的隔離を遂行した。
そうしなければ、ゼーゼーしたり、どんよりと体が重くなるからだ。
古本好きの古本アレルギーには、ほんとうに運命を恨んだ。
コーヒー好きなのにコーヒーでパニック障害を引き起こした時と同じくらい、運命が憎らしかった。

だから、物理的隔離といっても、部屋から古本をなくすわけではない。
大きなビニール袋にすべてを詰めたのである。そして、押入れに並べたのだった。
効力は充分だった。


しかし、これでは読むときにはやはりカビ臭でぐたっとやられるのだ。
私は考えた。
図書館で昔使っていた「曝本」(ばくほん)という言葉は、日や空気に古い本をさらす、という意味である。これをしなければ、と思った。
しかし、ただテーブルの上に開いておいても、アレルゲンを部屋中にばらまくだけであろう。

私は、お手製のアイディアを形にした。ベランダに、ワイヤーを五線紙のように巡らせて、背表紙が上に向くように本のページを引っ掛け、微妙に開いたような形で干すのである。
これが、決定的な古本アレルゲン除去方法である。
私は古本をむしばむ黴に勝利した。

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